福沢諭吉語録Ⅱ
*顔色容貌の活溌愉快なるは人の徳義の一箇条にして、 人間交際において最も大切なるものなり。 *私は軽蔑されて侮辱されても、その立腹を他に移して 他人を辱めることはドウしてもできない。 *自由と我儘(わがまま)との界は、 他人の妨げをなすとなさざるとの間にあり。 *自分の悪かったことに気が付いて 改めるというのは立派なことだ。 *浮世を棄つるは、即ち、浮世を活発に渡るの 根本なると知るべし。 *難きを見て為さざるは、丈夫の志にあらず。 *人生、万事、小児の戯れ。 *読書は学問の術であり、学問は事業の術である。 *活用なき学問は、無学に等しい。 *一家は習慣の学校なり。父母は習慣の教師なり。 *家の美風その箇条は様々なる中にも、 最も大切なるは家族団欒、 相互にかくすことなき一事なり。 *親子だというても、親は親、子は子だ。 その子の為に節を屈して 子に奉公しなければならぬということはない。 *妊娠中に母を苦しめ、生れて後は三年父母の懐を免れず、 その洪恩は如何と言えり。 *結婚は人生の重大事なれば、 配偶の選択は最も慎重ならざるべからず。 *政治は悪さ加減の選択である。 *天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず。 |